エモーショナルサポートドッグ

エモーショナルサポートドッグESD) って?

エモーショナルサポートドッグ(ESD)は、パニック障害や自閉症などの精神障害のある人をサポートする犬です。

現代の日本社会には、精神的に病み苦しむ人が大勢います。
そうした人にとって、存在だけで、撫でるだけで、抱きしめるだけで、薬のように助けとなってくれるのが、エモーショナルサポートドッグです。

温厚で心優しい犬が、常に自分に寄り添ってくれることが、感情のバランスを保つと共に、心に平穏をもたらしてくれるのです。
最近では見かけることも多くなってきたヘルプマーク。

でも、マークを付けた人が困っている様子に気がついても、声を掛けるのはちょっと躊躇してしまう。
その最大の理由が 障がい者のことを「知らないから」。
時にESDは、社会と障がい者を結ぶ窓口となって、双方の距離を縮めてもくれます。

ヘルプを必要とする人も気軽に出歩ける社会は、誰にとっても優しい社会です。
そんな社会にしていきたいと願っています。

エモーショナルサポートドッグとユーザーさん

精神障害のある方と その家族のために

アメリカでは「PTSDサービスドッグ(介助犬)」や「エモーショナルサポートドッグ」といって精神障害のある人を支える犬が認められていますが、日本の補助犬法では精神障がい者は対象外です。

対象

・精神障害者手帳をお持ちの方
・自閉症などの発達障害パニック障害
・ストレス関連障害などによる精神障害

条件

・本人またはご家族が連帯して、犬の飼養管理・健康管理・ならびに行動管理が適切に行なえること
・必要な医療情報を提供いただけること
・定期的な観察や状況報告をいただけること

※ 現在の日本の制度において、一般公共施設への同伴は出来ません。
※ 助成金など公的な支援はありません。

自閉症児とそのご家族のためのエモーショナルサポートドッグ

おうちでの様子

自閉症児とそのご家族のためのエモーショナルサポートドッグ

生後3ヶ月頃と誕生日の様子

自閉症児とそのご家族のためのエモーショナルサポートドッグ

生後3ヶ月頃のイベントデビューの様子

自閉症児とそのご家族のためのエモーショナルサポートドッグ

小さなお子さんの場合にはモデル犬を連れて何度か訪問し、犬への反応や対応をみます

自閉症児とそのご家族のためのエモーショナルサポートドッグ

モデル犬は初めて会う児童でも安全に扱うことのできる犬を選んでいます

自閉症児とそのご家族のためのエモーショナルサポートドッグ

アメリカには、精神疾患を持つ方の情緒的サポートをするエモーショナル・サポート・アニマル(通称:ESA)という犬たちがいます。
医師の診断書があれば、ペット不可の住宅に住んだり、飛行機の客室に一緒に乗ることができます。(問題が多発し、現在は飛行機には同伴できません)
位置づけとしては、ほじょ犬の下、セラピー犬の上といった感じかと思います。

当協会においては、これまでセラピー犬という括りの中で、精神面でのサポートをする犬たちを育ててきました。
しかしながら、ニュースなどでご承知のかたもおられるかと思いますが、ここ湘南地域においても「愛護や保護」「セラピー犬」を謳い文句にした団体による動物虐待や詐欺まがいの街頭募金、あるいは生体販売事業者による「セラピー犬」と称した不当高額販売などが問題となっています。
「セラピー犬」という語に定義がないために、残念ながら私たちの活動や育てている犬たちも、「セラピー犬」という枠の中で同一視されてしまいます。

そのような状況をふまえ、「名ばかりセラピー犬」との違いを明確にするべく、現在私たちが育成に取り組んでいる、主に精神面をサポートする犬の名称を「エモーショナルサポートドッグ」とし、対象を精神障害者手帳または療育手帳をお持ちの障がい者と、そのご家族に限定します。
海外での自閉症児向け介助犬のことを知り、発達障害の子供のために、ご家庭で犬を飼い始めるかたも多くいます。
とても良好な成果を得られる場合もありますが、目的に合致した適性のある犬に巡り会えるかどうか、希望に添う犬に育て上げられるかどうか、の2点において大きなリスクも伴います。

我が国における犬の流通市場は、ほとんどが子犬のみです。
子犬は成長時の予測がつきにくく、変化も大きいというリスクがあります。
かといって、成犬で流通されるのはほとんどが保護犬であり、もちろん全てではありませんが、家庭犬としてでも難しい犬である場合が多くあります。
エモーショナルサポートドッグは、その役割として当然に寄り添いや抱きかかえが多くなりますので、私どもでは主にプードル犬を選択しています。

プードルの特徴

  • 極端に抜け毛が少ない
  • 動物アレルギーを惹き起こしにくい
  • 大きさや色がバラエティーである
  • 大型犬でも引っ張る力が強くない
  • トリミングなどの手入れを要する
  • 良くも悪くも頭が良い
  • 動きが敏捷で扱いにくい
  • 跳ねるなどの上下の動きが多くあり扱いにくい
  • 耳の中の毛が多く手入れが悪いと汚れやすい
  • 歯石が付きやすい個体が多い
  • 性能や性格、稟性などに着目した繁殖がなされていない
  • 流行犬種となったため遺伝的疾患が多くある

どのような訓練のされた犬が来るのかしら?

海外での文献などによると自閉症児向け介助犬に関して、
自閉症児の持つ感覚的な困難さを間同士には見せない深い関わりにより和らげるのみならず、パニックや癇癪などのときに、身体をギュッと圧迫してケアしてくれたり、睡眠障害のある子の睡眠導入、あるいは、外出時の安全確保をしてくれるなどが述べられています。

私たちも、このような役割を担う犬を目指して育成に取り組みたいと思いますが、
現在の段階では、優良な同伴犬といった程度にお考えください。
私たちが育てている犬は、「何ができますか?」と聞かれても答えに窮するような犬たちです。

なぜなら私たちの育成の指針が、「何かをする」ことよりも「何かをしない」ことを大切に考えているからです。

どれほど優れた仕事をすることよりも、性格の良さや素行の良さが大切だと思っています。
穏やかで温厚な性格で人が好き、「さあ、好きにしていいよ」と声をかけて自由にさせると黙って人のそばに寄り添う、そんな犬を育てています。

サービスドッグとエモーショナルサポートドッグ(ESD)の違い

SERVICE DOGSEMOTINAL SUPPORT DOGS
PTSD サービスドッグエモーショナルサポートドッグ
必要とするユーザーが
障害者認定を受けていること
精神的疾患での通院歴
ESDを必要と判断する医師の診断書
その人の障害に直接関わる仕事をするように訓練されている。
発作発生時に薬や水を取りに行ったり、発作がそれ以上エスカレートしないような行動を訓練している。
寄り添うことで、不安を緩和し、精神の安定を維持する。特に犬に課されている仕事はない。


アメリカ人障害者法(ADAADA)適用アメリカ人障害者法(ADAADA)不適用
ペットではなく医療器具と対等の扱いで、原則としてどこへでも同伴できるペット不可の公共施設や交通機関への同伴は認められない

エモーショナルサポートドッグをご検討の方はこちらを確認の上、ご相談ください。

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